第九回『国分寺寄席』、今年も盛会でした
令和元年 8月29日 実行委員長 眞宅康博
まだ残暑厳しい中、13;30開場というのに12;00過ぎた頃には待ちかねたお客様がちらほらと並び始めた。
暑そうなので早めにロビーを開放した。
受付、会場、誘導の各係も多少の支障はあったものの概ね順調に運んだと思う。
今回は出演者も8人という事もあって5分早めに開演し、清水会長と共に
井沢国分寺市長の挨拶も極く手短にお願いして開演となった。
● 先ずは開口一番、前座の 駒介 が登場、『 穴子でから抜け 』を何とか卒なく演じた。
この演題は「逃げ話」といって、時間がない時とか、急に替わりに一席頼まれた折噺を短く演ったり或いは長く自在にできる話の一つである。
● 今年2月に二つ目に昇進の 馬太郎 は『 長短 』、気長の長さんと気の短い短七さんの二人だけの会話、長さんは何事にもゆっくり、短七さんは長さんのやることなすことがじれったくてしょうがない、二人の会話の使い分けが上手くいくと笑いがとれる。対象を際立たせる技術と工夫が肝要である。
● 小駒 は昨年11月に二つ目、演目は『 生徒の作文 』。このネタの後半は落語が先か漫才先かが分らぬが、 五代目古今亭志ん生 が演じた「女給の文」 柳亭痴楽 「ラブレター」
この様に内容さえ変えればいくらでもネタは作ることが出来るので、そういう意味では些か新鮮味に欠けていた。一層の工夫が欲しいと思うのは、まだ酷であろうか。
● 二つ目に昇進して4年目の 馬久 の演じた『 富士詣り 』。一般には「大山詣り」の方を聞いたことがある噺であろうが、この『富士詣り』は近頃寄席で演ずることは稀である。
この夏、馬久は二つ目の仲間数人と富士登山に挑戦。その様子をフェイスブックに乗せていたが、その時の話など交えて噺を面白く作ればよかったのに?!と思った。
● 真打ち昇進して4年余りの 馬治 ・ 馬玉 は、それぞれ『 壺算 』、『 青菜 』を演じた。
『壺算』は一種の詐欺噺で「算用合って銭足らず」という噺で古典噺の最たるもので何度聞いてもおかしくなる。臨場感のある話し方で、 馬治 もうでが上がったものだ。
片や 馬玉 の古典落語『 青菜 』も暑いころの噺として調子よくまとめていた。ただし植木屋の女房が暑い盛りにずっと押し入れにいて、ぐったりした状態のところを客に解らせて欲しかった。この噺は昔「弁慶」という演題で演ることがあった。
● 翁家和助は太神楽、二度目の出演でも曲芸の妙技と喋りで観客を酔わせていた。
● いよいよ一門の長、馬生師匠の一席は『 安兵衛狐 』。偏屈の源兵衛のところにおゆうさんがお礼に現れる、幽霊?ぐず安、またの名を貧乏安兵衛には狐の嫁がくる、おとぎ話落語をお色気たっぷりに聞かせてくれた。
● この後『茶番』『かっぽれの総踊り』『大喜利』で終演となって盛会裡に終えたが、16;30の予定を15分ばかり延長していた。
最後に野部副会長が閉会の挨拶も時間短縮のため急がれた感は否めなかった。
(以上)