紅茶の話・アラカルト1
1.「コーヒー、紅茶の正しい飲み方」(マナー)
*イギリスを中心に欧米ではカップの取っ手は右側、(お茶は右手、お菓子は左手)、カップの花柄や風景は取っ手が右に来た時に、絵が客の目から正面になるよう制作されている
従い、取っ手は右に、スプーンは右に縦にセッティング。使ったらカップに後ろに。
*日本ではカップの取っ手を左側にして出し、お客は左指でカップの取っ手をつまみ固定して、スプーンを使って砂糖やミルクをいれてかき回し、スプーンをカップの向こうに置き、今度は取っ手を右指でつまみ、ぐるりと180度回転してから、おもむろに口に運ぶ。これは日本のオリジナル発想。
2.ミルクが先か後か
*ミルクが先・ミルクインファースト、ミルクが後・ミルクインアフターは永い間の一大論争。
*ファーストは・茶は貴重品で、ミルクが先であった、熱い茶液を先に注ぐと、薄での茶椀がひび割れする、茶渋が茶椀の底などにへばりつくなどという理由。
*ヨーロッパの上流社会で、お茶にミルクを加えて茶の味を調整して楽しむという文化が18世紀後半に定着した。
*11年前にイギリス・王立科学会では熱いお茶にミルクを加えるとミルクが変化するのでミルクインファーストが好ましいとの永い論争の結末らしき説を発表した。
*今はモーニングカップ、マグカップなど大型のカップで沢山飲むことも多く、茶碗も多種になったのでミルクが後・先は自由に好みでお飲み頂くのがお勧め。
*嘗てミルクよりもお茶が貴重品で高価であった時代、ミルクを先に高価なお茶は後にという気持ちもあったようだ。
3.イギリス人のティーのしつけ教室「べからず集」
*ティーより先にミルクを入れてはいけない。
*小指を上げてカップを持ってはいけない。
*ティーを音をさせて飲んではいけない。
*ビスケットをティーに浸して食べてはいけない。
*バターやジャムは一度にべったり塗ってはいけない。
*サンドウィッチなどをナイフで切って食べてはいけない。
(ナイフはバターをつける。フォークは出さない。サンドウィッチはかぶりつき。スコーンは手でわる。)
*茶に使ったレモンをしゃぶってはいけない
*ティーの間、鼻をかんではいけない。
*室内でジャケット脱いではいけない。
*使ったナプキンはたたんではいけない。
4. 紅茶のカフェイン量とマラソン選手
*カフェイン含有量は単位当り、紅茶3%、コーヒー1.5%と紅茶のほうが多い。紅茶はカテキン、アミノ酸を含み、相乗効果でカフェインの効能が中和され、胃への刺激が緩和される。従いコーヒーよりもやさしく、また一杯あたりの使用量が紅茶(2~3g)、コーヒー(8~10g)であるからコーヒーの1/2以下のカフェイン摂取になる。
*カフェインは体内の脂肪を燃焼させる。紅茶を飲んでから運動すると、先に体内の脂肪を燃焼させるのでマラソンランナーのスペシャルドリンクには紅茶ベースが多く採用されていた。
*日本で従来水分補給は主に水であったが、スペシャルドリンクが許され採用された最初の「東京マラソン」に瀬古俊彦選手は紅茶飲料を採用し優勝している。(清水も関与)
清水元(記)