第2回“メタボリックシンドローム”

さて、中高年を迎へ、健康関連で比較的関心の高いテーマは、「メタボリックシンドローム」と「高血圧・糖尿病」でしょうか?
メタボとは、内蔵肥満/腹部肥満に高血糖、高血圧及び脂質異常症の2項目以上を併せ持った状態を言います。国の診断基準では腹腔内蔵脂肪・ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上で、血圧が収縮期/140mmHg、拡張期/90mmHg以上、中性脂肪が150mg/dL以上でHDLc40mg/dL未満、血糖は110mg/dL以上となっています。国際基準やアメリカ、ヨーロッパの学会などの基準とは異なります。日本でも少なからずこの基準には異論があるようです。2008年から40歳以上については特定検診実施が義務化されています。
シニア世代の2人に一人は予備軍とのこと、年齢が高くなると共に増加傾向にあるようです。適度な運動と、バランス良い食事、特に野菜、魚、米中心の日本食が見直されているようです。
ここで、加齢に伴う健康維持に、栄養的にも優れ、納豆菌の生理効果も優れている「納豆」を紹介いたしましょう。
納豆は何といっても健康食品の王様で、イソフラボン、レシチン、サポニン、蛋白質、カルショウム、マグネシューム、植物繊維が含まれ、免疫力、整腸、抗菌、潰瘍効果に加え血液サラサラ効果による高血圧や血栓の予防にもなります。
一般に健康の指標として「血液サラサラ」が良いといわれていますが、ドロドロでもサラサラでなく理想は好バランス血液が重要でしょう。
また、私たちが食べている納豆以外の「ねばねば食品」にはオクラ、モロヘイヤ、山芋、里芋、なめこ、もづく、昆布、わかめなどがあります。
これらのネバネバ食品のヌルヌルの正体は粘液多糖類で水溶性植物繊維です。アルギン酸・ペクチン、コンドロイチンなどで、食品により種類は異なりますが、みんな健康維持に重要な働きをしています。
即ち、蛋白質の消化吸収を助け、消化不良を防ぎ、血中コレステロール値を下げたり、ピロリ菌の抑制、血糖値の上昇抑制、便通をよくし有害物質の排出、よく知られた腸内の善玉菌であるビフィジス菌を増やすなどがその大きな効果です。
特に関節、軟骨保護や肌のみずみずしさを保つ働きのある、コンドロイチンは高齢になると体内では作られにくくなるので、大いにネバネバ食品摂るようにしたいものです。
納豆は納豆PRセンターによれば、縄文時代後期にはすでに納豆のようなものはあった由、納豆には2種類があり、塩辛と糸引きで塩辛は蒸した大豆と麹菌で作られ、塩水で醗酵、乾燥させたもので、中国から奈良時代後期に伝来しました。一方糸引きは蒸した大豆に納豆菌を作用させたもので(かっては稲藁が利用され)室町時代に東北地方で作られ、江戸時代には関東各地で食べられ、関西では東京納豆と呼ばれていました。こんな関東先行の歴史的背景に加え、関西地区は気候が温暖で新鮮な魚が何時でも手に入り易かったことから、今でも関西では食べる人が多くないようですが、最近は健康面でも評価され需要が拡大されています。なお水戸納豆は明治になってから、鉄道開設に合わせ、お土産で売られようになって有名になったようです。何といっても健康食品の王様です、納豆を含め「ねばねば食品」を大いに食べ、健康維持に努めましょう。


 

第1回“元気なシニアライフのために”の一文引用

第1回目は医学博士、管理栄養士で早稲田大学教育学部生理学教室研究員を経てNHK・民放TV,執筆書籍多数と現在活躍中の本多京子先生の“元気なシニアライフのために”(NHK今日の料理)の一文を引用し、簡単にご紹介いたします。
長い人生を健康に過ごすための基本は「毎日の食事」であって、年をとっても体の細胞は毎日生まれ変わっています。そのスピードは若い頃より遅くなりますが、健康な体を維持し、元気に活動するためには毎日、食事から十分な栄養をとる必要があります。そのためには簡単なものでもなるべく「自分で料理をつくる」ことが大切です。体力的におっくうだとか少家族だからつくる張り合いがないなどと、ためらわずに「料理をすること」はさまざまな健康効果をもたらします。冷蔵庫の残りものから献立を考えて、手順よく調理することは絶好の脳のトレーニングで、また台所に立つことも体力維持に役立ち、さらには指先を使うことが脳の活性化になると云うものです。
シニア時代こそ、1回1回の食事を大切にし、しっかり栄養をとり料理を通じて活動的な生活をすることが健康長寿のためのポイントです。
それでは具体的な行動とは何でしょうか?
①食事時間を決めて、生活のリズムをつくる、(決まった時間に消化液が分泌され体のリズムがつくり易い)
②バラエティー豊かな献立を考え同じ食品が続かないように、(栄養バランスを整える)
③家族や友人と一緒に食べる機会を持つ、(食事を楽しむことが元気のもと)
④なるべく自分で料理をつくる、(体力維持や脳の活性化に役立つ)
⑤出来るだけ自分で買い物に行く(旬の食材を見、店員と話すなど社会の出来事を身近に感じる)
まずは元気と健康は毎日の食事からということでこの項終わります。